コアラの国で感じる英語

オーストラリアで会社勤めをしています。ちょっとしたビジネス英語や、当地で起こっていることを英語を交えながらご紹介できればと思います。

ウルルの悲劇、"comedy of errors"では済ませられませんね

オーストラリアの航空会社であるジェットスターがウルル近くのAyers Rock Airportのフライトをキャンセルしたという記事です。ジェットスターは2004年に運行を開始した最大手カンタス航空の子会社です。日本では2011年にジェットスター・ジャパンが設立しました。

 

Jetstar cancels NYE flights out of Uluru due to IT glitch leaving hundreds of passengers stranded

ジェットスターは、ITの故障により多くの立ち往生した乗客を残した状態で、ウルルからのニューイヤーイブのフライトをキャンセルした

 

www.msn.com

 フライトがキャンセルされた理由は、通信大手のTelstra(テレストラ)のIT問題と言われています。ジェットスターの乗客250~300人はウルルからなんと450km以上離れたAlice Springsまでバスで移動させられ、ホテルで一泊させれらた様です。

 

トラブルがあった日、他の航空会社(カンタス、バージン)は、トラブル時の対処方法があり、約2時間遅れで運行した様です。何故、ジェットスターだけ??彼らはただ「インターネットがないと乗客の確認ができない」と言っていた様です。ジェットスターカンタスの子会社。どうやら、運営方法はばらばらな様ですね。
 
巻き込まれた乗客は次の通り述べてます。 

 

"It was unbelievable incompetence, everything that should've been done wasn't done and it's just appalling.

これは信じられないほどの無能ぶりだ。すべきことの全てがなされなかった、ひどい話だ。

incompetence = 身体的または知的な能力がないこと

appalling = ひどい、恐ろしい

 

日本のツーリストの方も被害に巻き込まれた様です。

 

"Talking to a couple of the Japanese younger couples, I felt very sorry for them because they had purchased premium rooms over Sydney Harbour to view the bridge to watch New Year's Eve [fireworks] from their hotel room"

 

恐らく一泊 10万円以上の部屋だと推測されます。

 

ジェットスターは次の通り発表、

・影響を受けた顧客 (affected customers)は宿泊ホテル、食事、ホテルの送迎が提供された

 

・TelstraのIT問題が空港のチェックインシステムに影響を及ぼした

 

・顧客には特に年の最後の日(New Year's Eve)にという時期に不満を与えてしまった、顧客の旅に影響を与えてしまったことをお詫びする

 

Telestraは、原因はIndulkanaという場所の電話交換設備のメイン電力を失ったこと、そして、代替え発電機を運んでNew Year's Eveの午後6時には復旧させた様です。電力ロスの原因は分かっていないとの事。

 

オーストラリアの国内線移動の場合、最も信頼できるエアラインはNational flagのカンタスです。次にバージン。その次がタイガーエアー。最後に、ジェットスターだと思います。これは私の経験によるもので、データの裏付けは有りませんが。

 

大事な予定があり、より確実に移動したいのであれば、やはりカンタスの利用をお勧め致します。彼らは、少々無理しても飛んでくれます。便数も多いので何かあっても同日の便への振替えが容易な場合が多いです。

 

一方、ジェットスターはチケットは比較的安い場合が多いですが、遅延、キャンセルが比較的多いのでご利用の際は注意してください。

 

「予算達成ににこだわる、固執する」ってどう言うの?

3月決算の会社であれば、あと第四半期を残すだけとなりましたね。予算達成に向け責任を持っている方々にとっては、この休みはじっくりと考え、仕込む最後のチャンスなのではないでしょうか。

 

私が勤める会社では、予算を達成に向けた会話がなされる際によく"stick to"を耳にします。なぜか分かりませんがemailでは見たことが有りません。恐らく口語が中心の表現なのかもしれません。

 

"stick to"は、「にくっつく、こだわる、固執する、(決意を)捨てない、あきらめない」といった意味が有ります。"stick"がくっつくという意味もあるので、覚えやすいかと思います。

 

 

例文ですが、

 

We have to stick to the budget to achieve our financial goal.

意訳ですが、私たちは、金銭的な目標(e.g. 売上[sales]とか粗利[gross profit])を達成するために、予算にこだわる必要がある

 

 

If you don't make an effort to stick to a budget, you will have no idea where your money goes.

意訳ですが、あなたは予算に固執する努力をしないならば、お金がどこえ消えるか分からなる

 

 

何かを達成するために、"粘り強く"の意を強調したいときに使える表現だと思います。

 

ちなみに、私が勤める会社の経理責任者はいつも"stick to our budget"と言ってます。つまり、収益の予算が未達状態だということです…。そして、期が終わると、予算が "challenging"だったので仕方ないと言い訳します。毎年同じパターンです。

 

オーストラリアのCasinoの話題

最近、IR汚職 (Casino Bribery)が日本で話題になってますね。日本にCasinoが導入されそうになっているのですね。

ただでさえ、パチンコ、競輪、競馬・・・とギャンブル国なのに、更に追加するとは・・・皆は賛成しているのかな?それとも反対しているのかな?

 

私は、ギャンブル系は殆どの人の幸せには繋がらないと思います。政治家や公務員などの汚職を中心とした犯罪だけが増えるような気がします。このIR問題、他人事だと思ってただ眺めているだけだと、最後は私もあなたも巻き込まれ話になるかもしれませんね。


ご存じの方もいるかと思いますが、オーストラリアにCrownという上場しているcasinoの運営会社が有ります。少し前ですが、中国系を巻き込んだ問題が起こっているとの報道がありました。オーストラリアのTV番組 (60 minutes Australia) のYouTubeのリンクを貼っておきますので是非一度チェックしてみて下さい。

 

EXCLUSIVE: Crown Casino exposed. Sex trafficking, drugs, money laundering | 60 Minutes Australia

www.youtube.com


何が問題かというと、一つは "Money laundering activitiy"です。このビデオの中では、drugの売買で得られた金をCrownカジノに持って行き、その金はCrownのオーストラリアの口座を経由して香港へ流れていると言ってます。

 

また、このビデオで何度も登場する "Junket Operator"という人たちがunlawfulと疑わしい事やcriminalに関わっているようです。なお、"Junket Operator"とは、カジノに大金をかける客を探して紹介したり、そのような客に宿泊先や資金の融通などを行う仲介業者の事です。ビデオの中では政府関係者との繋がりも強いと言ってます。


ビデオに出てくる元カジノ従業員は、"Some customers losing like maybe $10m in 15 or 20 minutes. I was surprised about what kind of job undertaken." というようなことを言っています。$10mは日本円で約7.5億円です。

さて、このようなBig moneyの恩恵を受ける庶民はいますでしょうか?雇用は少々あっても、きっとほぼゼロだと思います。税収ざっくざっくかな?


むしろ、外国企業の進出、マネーロンダリング汚職の増加とギャンブル中毒者を生むだけだと思いますよ。結局のところギャンブルは日本人のHappyにはならないでしょう。地方都市が誘致したがってるようですが、とんでもない。素人が手を出す世界ではないという事です。


こういう他国の現状って日本で報道されてるのかな。コントロールされてそう。日本の報道やYahooニュースだけを見てる人は、ぜひ同時に必ず世界のニュースを見て下さいね。片方だけでは絶対にダメですよ。


もし、カジノが出来てしまったら・・・次には、きっと"Junket Operator" が話題になると思います。ビデオの通り、オーストラリアでは既に手が付けられない状態にまでなってます。

 

「不可能ではないですが、難しい」って何ていうの?

不可能ではないけれど、難しいという表現ですが、"if not impossible"で表現できます。時々、仕事でも登場しますので覚えておいて損はない表現だと思います。

 

例文ですが、

 

It is difficult, if not possible, for me to park the truck in a narrow space.

私にとって、そのトラックを狭いスペースに留めるのは不可能ではないが、難しい

 

It is very tricky, if not impossible, to negotiate with them.
彼らと交渉するのは、不可能ではないが、一筋縄ではいかない

 

It is difficult, if not impossible, to solve the problem.
その問題を解決するのは、不可能ではないが、難しい

このような使い方をします。

 

ご参考になれば幸いです。

オーストラリアのShark attack

オーストラリアではサメに襲われる被害(Shark attack)が割と頻繁に起こります。そして、毎年のように人が亡くなります。被害を受けるのはサーファーだけでは有りません。観光で、mainlandから島などにわたってシュノーケリングなどをしている時などに被害にあいます。遊泳禁止ではないので安全な場所だと思って泳いでいても、不意に事故は起こります。誰にでも起こりうる話です。

 

一昨日、クイーンズランド州の沖合いの島で観光客がShark attachを受けたようです。30歳の男性で、この人は運が良く、腕と足の軽傷で済んだ様です。

 

Man bitten by shark on Great Barrier Reef

グレートバリアリーフで男性がサメに噛まれた

 

www.msn.com

MSNのニュース記事です。

 

The man, aged in his 30s, sustained minor injuries to his arms and legs from the attack at North West Island, at the southern end of the reef, about 1pm on Monday.

このような事故が起こって影響を受けるのは観光業(tourism)ですね。

 

"North Queensland's major industry is tourism so it is important that we don't have an image that sharks are out of control in that area," he said.
北部クイーンズランド州の主要産業は観光業なので、この地域でサメを制御できてないというイメージをもたれない事が重要である。

 

"We've been calling on the government for some time to adopt the LNP's shark control program, that involves smart drumlines and also involves aerial surveillance."
私たちは、スマートドラムラインや空からの監視を含むLNPのサメ管理プログラムの採用をするように政府へ要請している。

 

ところで、'Smart drumline'とは何でしょうか。
サメが餌を食べたら、それをセンサーで感知して通報するシステムの様です。参考までYouTubeのリンクを貼っておきますのでご参照下さい。

www.youtube.com

 

とにかく、海外で海水浴をされる方は、サメやクラゲには注意してくださいね。あと溺れる人も多いので無茶は禁物ですね。とても身近なリスクですよ。自分は大丈夫という感覚は危ないですよ。

 

私のミスでしたと詫びるときの表現

皆ではありませんが、オーストラリアでは少々仕事でミスしても丁重に詫びるという事は有りません。

 

少し以前に、ある営業のマネージャーが会議で発表した投資案件が、その発表だけで承認されたと勘違いし、会社のルールで決められた書類の作成をしなかったことを詫びています。社長が「いいね!やろうよ。」と言った言葉を「承認された」と勘違いしたようです。

 

This is my mistake. I incorrectly believed that the approval was given during the meeting and accordingly did not prepare the written consent. Please accept my apologies.

 

意訳ですが、「これは私のミスです。私は会議の中で、その承認がなされたと勘違いしていました、そしてそれにふさわしい書面上の同意を得る準備をしませんでした。お許し下さい。」。

 

この人は真面目な人です。かなり多くの人はミスを指摘されても、"No problem, I will do it asap." といったような反応をする場合が多いと思います。

 

ここで大事なのは、こちらが少々迷惑を掛けられても、イラっとした感情的な反応をしてはいけません。意外と相手はその反応を良く見ています。表面上、ビジネスのプロとして対応するのが最終的にはとっても大事だと思っています。

Nursing homeの問題

オーストラリアのご年配の人たちはあまり子供たちと同居する事は有りません。基本的にオージーは誰かに世話してもらう事が前提の生き方ではなく、出来る限り個人としての自立して生きるcultureがあるからだと思います。それでいて、他人に協力を惜しまない人も多いです。

 

さて、ご年配の方々で、仕事を辞めてリタイアする場合、これまで子供たちと住んでいた大きな家を売却して、静かで気候が良いQueenland州あたりのcountrysideの2LDKくらいの小さな家に引っ越したり、"Retiremet village"というお年寄りが住む集合住宅地で比較的自立した生活を送ります。そして、主に何かしらの介護サポートが必要な人たちは、老人ホーム(Nursing home)で過ごします。

 

どのケースでも何かと課題や問題があります。最近はNursing homeでの問題を良く目にしますので次の記事をご紹介いたします。記事はオーストラリアの国営放送であるABCのホームページを参照しています。


タイトルは、
Christmas meal 'slop' prompts outrage after being served to Adelaide nursing home residents
意訳ですが、「クリスマスの食事 '不味そうな(残飯のような)もの'がアデレードの老人ホームで出された後で激怒を引き起こした」

 

www.abc.net.au

 

今回問題になったのは、下のクリスマスランチの写真です。オージーにとってクリスマスは日本でいう正月です。皆さんこの日をとても大事にしています。正月にこのレベルの食事が出てきたらどう思うでしょうか。私は嫌ですね。

 

f:id:koaramate:20191230204036j:plain

 

Key points:
・The meal of baked beans and mashed potato has been labelled "disgusting" and "disgraceful" on social media

このベークドビーンズとマッシュポテトは「不愉快だ」とか「けしからん」とソーシャルメディアで言われている

 

・The Vales nursing home is run by All Care Aged Care, which says it is committed to high food standards
Vales

老人ホームはAll Care Aged Careという会社によって運営されており、彼らは高い食品基準を約束していると言っている

 

・SA MP Nat Cook says one woman was reduced to tears after receiving the "slopped-out" meal
南オーストラリアのNat Cook議員は、(食事を提供された)ある年配の女性は汁が皿から滴り落ちた食事を受け取った時、涙がこぼれたと言っている


Nursing homeの会社は、下のように改善の余地があると認めている様です。
An Adelaide nursing home has admitted there is "room for improvement" in its food service after a photo of a Christmas meal allegedly given to a resident sparked an online backlash.

 


このブログを書いていたら、続報の記事が出てました。

Nursing home staff receive death and rape threats following Christmas meal post

意訳ですが、「老人ホームのスタッフはクリスマス食事の一件で死やレイプの恐怖を感じている」

 

www.abc.net.au

 

企業側は、Nursing homeのスタッフをひどい食事を提供されたご年配よりもさらに弱い立場におくことで、本件の批判を和らげる手に出た感じですね。企業側はとてもずるい感じがします。これは禁じ手と言えるでしょうね。

 

Nursing homeのスタッフは薄給で、はっきりと言うと殆どの人がやりたがらない職業です。従って、非白人系の移民や短期的な外国人労働者が従事している場合が多く、文化的なバックグラウンドもばらばらなので、サービスの質はあまり期待できません。Nursing homeに入居している身体の不自由なご年配に対するスタッフの虐待行為もこちらでは結構問題になっています。

 

恐らく、日本でも移民が多く使われるようになると、同様な問題は頻繁に起きるのではないでしょうか。


記事の最後に議員(政治家)のMs Cookが言っているように、この問題は 'wake-up call' だと言ってます。

The photo was initially shared on the Facebook page of South Australia MP Nat Cook, who said the meal "was not up to expectations", especially as a Christmas option. Ms Cook said she would visit the facility in the coming weeks.
"I would hope this incident is a real wake-up call, not just for that facility but many other facilities," she said.
"I will write to the federal and state ministers regarding the incident that happened, and give them feedback."

 

企業側の利益追求は、人の幸せを考慮しない傾向がより強まっている時代なので、直ぐに解決できなくても、この手の問題提起をし続けることが大事なのだと思いますね。

 

私たちは等しく年齢を重ね、最終的にはNursing homeにお世話になる方もそれなりにいらしゃるのですから、しっかりとwatchてゆかないと、Nursing homeは 'p.o.w. camp' のようになってしまいそうです。